機構長 挨拶
富山大学研究推進機構は、特色ある研究の推進及び多様な分野で研究者の自由な発想に基づく基礎的・基盤的研究の推進を支援するとともに、世界と地域に向けて研究成果を発信し、将来を担う人材を育成することを目的として、平成27年4月に設置されました。
富山大学では、第4期(令和4年度~令和9年度)中期目標において研究推進の2つの柱を掲げています。①学問の継承・発展と基礎的な研究を重視するとともに、現代社会の諸問題に積極的に取り組み、融合領域の研究を推進する、②基礎研究を充実するとともに、『地域と世界に向けて先端的研究情報を発信する総合大学』を目指すこと。
目標達成のため、研究推進機構学術研究・産学連携本部では、研究プロジェクトの企画・立案、大型プロジェクト等外部資金獲得の支援、学内の研究者情報に基づいた優れた若手研究者の発掘と支援、異分野融合研究の推進、研究成果の国際発信など、本学の研究力強化に繋がる多彩な支援活動を推進し、研究力強化に向けた体制の中心となり、一層の研究成果の創出や重点研究分野の支援を行います。
同じく研究推進機構水素同位体科学研究センター、サステイナビリティ国際研究センター、アイドリング脳科学研究センター、先端抗体医薬開発センター、カーボンニュートラル産業創生研究センターでは、それぞれの分野で強みを生かし特徴ある国際共同研究を推進するともに、研究推進総合支援センターでは教育研究機能の高度化に向けた支援を行います。
研究推進機構では、今後も、本学の特徴・特色・強みを生かした独自の研究支援活動を活性化させ、研究成果の社会実装支援とともに世界で活躍できる研究者育成にも努めてまいりますので、学内外の皆様のご協力とご支援をよろしくお願いいたします。
研究推進機構長 理事・副学長(研究担当) 北島 勲
研究推進機構の特徴と目的
本学における特色ある研究の推進と多様な分野での研究の推進を支援するとともに、世界と地域に向けて研究成果を発信し、将来を担う人材を育成することを目的とし、平成27年4月1日に設置されました。 学術研究及び産学連携の企画・立案・調整などを行う学術研究・産学連携本部の他に、特色あるセンターで組織されています。
各研究・研究支援センター等
研究推進機構
学術研究・産学連携本部
学術研究及び産学連携の企画・立案、公募型外部資金の獲得、人材育成及び起業の支援、知的財産の管理運用等を推進することにより、本学における学術研究の一層の高度化を図り、その成果を広く社会に還元します。
水素同位体科学研究センター
水素同位体に係る基礎的研究及び応用技術の開発、トリチウム理工学、水素エネルギー科学及び材料工学にまたがる水素同位体科学研究並びに学内外の関連研究者による水素同位体科学に係る共同利用・共同研究を推進します。
サステイナビリティ国際研究センター
経済、社会及び環境の各分野における研究を融合したサステイナビリティ学に関する研究を行うとともに、国際的な学術交流の推進を図り、本学における教育研究の一層の発展や世界における持続可能な社会の構築に貢献します。
アイドリング脳科学研究センター
アイドリング中(睡眠・休息時や潜在意識下)の脳における情報処理メカニズムに関する研究を行い、脳が持つ潜在的な能力を科学的な根拠に基づき理解することを目指します。
先端抗体医薬開発センター
抗体取得独自技術の開発とそれを用いた有用抗体の開発等を通じて、感染症を始めとする種々の疾患の診断法や治療法の開発並びにワクチンの開発の支援等を総合的に推進します。
カーボンニュートラル産業創生研究センター
カーボンニュートラルに関する研究・技術開発を促進し、その成果の社会実装を目指すことで、グリーン成長を伴う持続可能な地域循環共生社会の形成に貢献することを目指します。
研究推進総合支援センター
自然科学研究支援ユニット
自然科学研究に関する共同利用施設(機器分析施設、極低温量子科学施設、放射性同位元素実験施設)及び設備の適切な管理・整備、並びに共同利用の促進及び利用技術の開発等の研究を支援します。
生命科学先端研究支援ユニット
教育研究支援施設(動物実験施設、分子・構造解析施設、遺伝子実験施設、アイソトープ実験施設)の管理・運営、並びに動物実験、分子・構造解析、ゲノム機能解析及び放射線生物解析に関する教育、技術指導、研究開発をします。
設備サポート・マネジメントオフィス
本学の研究設備共用マネジメント体制および周辺地域との連携を強化して研究基盤を整備します。また、優れた設備オペレーション技能を有する人材の育成により本学の研究の支援や地域企業・業界団体との連携・共同研究を促進させていきます。
未病研究センター
未病研究センター
「東洋医学の概念である「未病」をALL富山大学で多分野の叡智を集め解き明かし、健康社会に向けた超早期疾患予測・予防の実現」を目的に設置しました。
以下3つの業務を中心に、未病医療の推進・実装により新たな医療システムを社会に提示します。
- 現代医療ニーズにマッチした最先端の医療戦略(創薬、臨床検査、疫学)の構築
- 薬都・富山発の健康政策(未病を治療する新しい医療の創出)の提言
- 科学知への翻訳としての「未病学」の確立
先進軽金属材料国際研究機構
先進アルミニウム国際研究センター
材料工学、特にアルミニウムに関する最先端の材料関連研究を国内外の研究者・技術者と共同して推進し、国ならびに地域の産業振興に貢献するとともに、大学院理工学教育部における人材育成も支援します。
教育学部
教育学部付属教育研究実践総合センター
教育実践及び教育臨床に関する理論的、実践的並びに学際的研究を総合的に行うことを目的とします。本センターは教育臨床・学習環境・教育工学・環境教育の4つのプロジェクトからなり、学校、教育機関、生涯学習施設、企業などと連携して、研究プロジェクトを推進しています。そのため、大学教員、地域の学校の教職員、その他地域の人材等を協力者として迎え、様々な取り組みを行なっています。
薬学部
薬学部附属薬用植物園
富山大学薬学部附属薬用植物園は、大正12年に設置された富山薬学専門学校薬草園を前身としており、薬用植物の所有数は約2000種と全国の薬用植物園の中でもトップクラスにあります。薬学部をはじめとする各部門への実験材料の提供に加え、薬用植物の栽培法の確立や育種等に関する研究を実施しています。
芸術文化学部
芸術文化学部附属技藝院
富山大学芸術文化学部では、令和2年4月1日に「富山大学芸術文化学部附属技藝院(文化財保存・新造形技術研究センター)」を設置しました。
木工、漆工、金工、などの伝統的な素材における技術研究・調査を、従来の研究方法と同時に、最新のデジタル機器やソフトウェアを駆使してデータ調査、分析を行い、それらを応用して今後の新しい文化財保存修復の考え方やノウハウを確立します。
また、日本の工芸の技が世界的に注目を集める中で、芸術・デザイン領域で新しい創造性を広げ、伝統的なものづくりを大切にしながら、現代の技術も応用して新分野の開拓を目指します。
和漢医薬学総合研究所
和漢医薬教育研修センター
本センターは、(1)漢方医学教育における研修システムを確立すること、(2)医師および薬剤師に漢方臨床研修を提供することを目的としており、附属病院における外来診療の陪席を中心とした漢方医学研修を提供しています。また、「漢方方剤や構成生薬の薬理効果及びその作用機序」、「漢方医学的病態や証の指標探索」を研究しています。
民族薬物資料館
富山大学和漢医薬学総合研究所民族薬物資料館は日本漢方、中国医学、インド医学で用いられる生薬を中心とした30,000点余の生薬標本を保存する、保有生薬数において日本第1位の資料館です。これらは、半世紀にわたり蒐集された各医学の代表的な生薬であり、教育研究用の生薬資料として高い評価を受けています。また、当研究所で行われた各種研究の材料生薬も保管しています。館内では、これらの貴重な資料を多数展示し、教育活動に役立てています。
世界の諸民族の伝統薬物を蒐集、保存、展示するとともに、それらの学術情報を収載したデータベースを構築し、伝統薬物に関する共同研究を推進します。