SPRING学生・山口叶大さんの研究成果
【漢方薬の十全大補湯が免疫チェックポイント阻害薬によるがん治療効果を増強することを発見】
富山大学 学術研究部薬学・和漢系の早川 芳弘 教授、総合医薬学研究科(博士課程)の山口 叶大 大学院生、学術研究部医学系の小林 栄治 教授らの研究グループは、(株)ツムラとの共同研究によって、漢方薬の十全大補湯の併用投与がマウスがんモデルにおいて免疫チェックポイント阻害薬(ICBs)である抗PD-1抗体の治療効果を増強することを明らかにしました。マウスがんモデルにおいて、十全大補湯投与が抗PD-1抗体治療時の病態進展にともない認められる腸内細菌叢とそれらの代謝物産生の変化の抑制、がん免疫応答を抑制的に制御する制御性T細胞(Treg)の増加の抑制、がん細胞を攻撃するCD8+ T細胞の活性化の亢進といった効果を示すことを明らかにしました。
今回発表する成果は、現在多くのがん患者の治療に用いられるようになってきた免疫チェックポイント阻害薬の効果を増強する新たな複合療法の一つとして、日本で古くから用いられてきた伝統医薬である漢方薬を活用できる可能性を示しており、今後は実際にヒトでの効果の検証を目指した臨床研究の実施が期待されます。
この研究成果は、2026年2月3日付けで国際的科学雑誌「Journal of Natural Medicine」にオンライン公開されました。また本研究は、(株)ツムラからの共同研究費、科学技術振興機構の博士後期課程学生支援「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」事業(JPMJSP2145)の支援を受けて行われました。
プレスリリース記事:https://www.u-toyama.ac.jp/news-press/129151/
DOI:https://link.springer.com/article/10.1007/s11418-025-01999-z
- 2026/02/18 (水)
- SPRING事業