自己紹介・研究目的
令和7年4月入学/ ■SPRING事業 採択学生紹介

創薬・製剤工学プログラム
令和7年4月 大学院入学
小澤 昂生
オザワ コウセイ
Glypican3を標的とするT細胞受容体様抗体の開発
私は肝細胞がんに特異的な抗体医薬品の開発を目標に研究を行っています。
Glypican3(GPC3)はGPIアンカー型タンパク質で、肝細胞がん細胞で高発現するがん関連抗原である。現在、本タンパク質を標的とした抗体医薬品の開発が進められている。しかし、GPC3は膜表面で切断され分泌型となり血中を巡回するため、十分な量の抗GPC3抗体が患部に到達しない可能性が危惧されている。肝細胞がんで発現するGPC3は他のタンパク質と同様、細胞内で分解され8~10アミノ酸から成るペプチド断片となり、その一部(pGPC3)がヒト白血球抗原(Human Leukocyte Antigen :HLA)と複合体を形成し細胞膜上へ抗原提示される。このため、pGPC3/HLA複合体を標的とした遺伝子改変T細胞療法の開発が進められている。本研究では、pGPC3/HLA複合体を標的としたT細胞受容体様抗体を開発し、これを二重特異性T細胞誘導性抗体(BiTE)に変換することで、分泌型GPC3に影響を受けない遺伝子改変T細胞療法に替る肝臓がん治療のための抗体医薬品の開発を目指しています。
Glypican3(GPC3)はGPIアンカー型タンパク質で、肝細胞がん細胞で高発現するがん関連抗原である。現在、本タンパク質を標的とした抗体医薬品の開発が進められている。しかし、GPC3は膜表面で切断され分泌型となり血中を巡回するため、十分な量の抗GPC3抗体が患部に到達しない可能性が危惧されている。肝細胞がんで発現するGPC3は他のタンパク質と同様、細胞内で分解され8~10アミノ酸から成るペプチド断片となり、その一部(pGPC3)がヒト白血球抗原(Human Leukocyte Antigen :HLA)と複合体を形成し細胞膜上へ抗原提示される。このため、pGPC3/HLA複合体を標的とした遺伝子改変T細胞療法の開発が進められている。本研究では、pGPC3/HLA複合体を標的としたT細胞受容体様抗体を開発し、これを二重特異性T細胞誘導性抗体(BiTE)に変換することで、分泌型GPC3に影響を受けない遺伝子改変T細胞療法に替る肝臓がん治療のための抗体医薬品の開発を目指しています。