自己紹介・研究目的
令和5年度入学/ ■SPRING事業 採択学生紹介
地球生命環境科学専攻
令和5年度 大学院入学
花田 拓巳
ハナダ タクミ
シロアリの進化に伴って獲得した化学受容体遺伝子の分子生物学的研究
繁殖の分業を特徴とする真社会性は、いくつかの動物で独立に獲得されています。利他行動を伴う特殊な繁殖様式の進化はダーウィンの時代から注目されており、社会性の進化の要因を解明することは、進化生物学上の重要な課題であるといえます。最も成功したグループである社会性昆虫では、個体間の化学シグナル伝達が社会性の維持に必須であると考えられています。実際に、アリ・ハチ類やシロアリ類では化学シグナル受容遺伝子が重複していることが確認されています。しかしシロアリ類では、重複した遺伝子の機能が未解明で、社会性の進化との関連性は明らかとなっていません。そこで本研究は、シロアリや近縁群における重複した化学受容遺伝子の特定と機能の解析を行い、化学シグナルに起因する社会性の制御機構を解明し、社会性の進化要因を考察することを目的とします。