理工学教育部博士課程新エネルギー科学専攻２年の海野 奏です．私は、生痕化石を利用することで，生物の「真」の進化史を解明することを目指して研究を進めています．通常、生物進化の研究では、生物の体化石から，地質時代を通じた，体の形態の変遷を議論します．私は，それに加えて，生物の行動の痕跡である生痕化石の時代的変化を調べることで、生物行動様式の変遷をも探ることができると考えています．研究対象としては，体の各部位の形を反映した特徴的な生痕を形成するカブトガニを取り上げ、形態学的情報と行動の情報を統合した，カブトガニ類の真の進化史の解明を目的としています．さらに、カブトガニ類は原始的な節足動物であるため、節足動物の初期進化を考察する上で重要な手掛かりとなると考えられます．