富山大学大学院医学薬学教育部薬科学専攻博士後期課程１年の杉山聖典です。
私は病態制御薬理学研究室にて、２型糖尿病や脂質異常症などの代謝疾患を治療する新たな手法の創出に向け、研究を行っています。従来の糖尿病治療薬は末梢組織に作用して高血糖を改善し、治療効果を発揮しますが、合併症の防止には不十分な点が多くあります。最近では、中枢神経系が末梢組織と連係して代謝を調節することが知られており、中枢—末梢連係機構の活用が糖尿病や合併症の予防・治療に有用である可能性があります。そこで私は、糖・脂質代謝を調節する中枢—末梢連係機構の新規制御因子を探索し、代謝疾患に対する予防・治療効果を検証しています。本機構を標的とした新規介入法を２型糖尿病や脂質異常症に対する従来の治療法と組み合わせることで、より効果的な代謝疾患の予防・治療法の開発を目指しています。（旧フェローシップ事業採択学生）