自己紹介・研究目的
令和4年度修了/ ■SPRING事業 採択学生紹介
薬学専攻
令和4年度 大学院入学
高橋 隼一郎
タカハシ ジュンイチロウ
EGFRの非定型的な細胞内輸送経路の解明と治療への応用
私たちはリガンド依存的/非依存的なEGFR活性化機構を区別して解明し、がんの治療・耐性化克服に寄与することを目的に研究を行なってきた。これまでに、EGFRはリガンドに依存した細胞増殖に関わる機構(定型的機構)とp38活性化を介したストレス抵抗性に関わる機構(非定型的機構)の独立した二つの細胞内輸送機構が存在することを解明した。また、定型的に細胞内輸送された場合はリソソーム分解へ、非定型的の場合は細胞膜上にリサイクルされることを明らかにしている。しかし、EGFRの細胞内輸送経路や非定型的機構そのものの機能などには不明な点が多い。そこで、EGFR分子標的薬に対する治療抵抗性を克服できる可能性があることから、より詳細な細胞内輸送経路の解明を行う。また、非定型的機構を介してEGFR抗体の細胞内輸送を促進することで、EGFRを標的とした抗体薬物複合体の治療効果を高める方策の開発にも応用したい。